彼は県外のホストクラブで働いていたため、指定された地元の最寄り駅に迎えに行った。
私は約束の時間に待っていたのだが、彼は中々現れない。
まさか…。
いつものドタキャン?いや、寝過ごしたのか?と、思っていた次の瞬間。
…。
何だあれ?!
駅から降りてくる人並みの遠くに頭がピンクで豹柄のジャケットに真っ赤なパンツをはいた人がいる。

うわー派手な人だな。
こんな田舎に?なんて思っていたら、どんどん近づいてくる。
周りの人間は避けていく。そりゃそうだろ。
え、嘘だろ?
いや、旦那(元)なわけない。
…。
まさか…あいつじゃねぇだろうな。
私は目を細めた。
いやいや!!絶対アイツだ!!!(笑)
離婚してから吹っ切れたのか、さらに強烈になっていた。
どうしよう…。みんなが二度見するような男とこのまま私が一緒に居たら…。
誤解されてしまう!!!!
私は車に乗り込み、Uターンをして場所を変えようとした。
…
ドンドンドン

さち~!開けてよ!!
あぁ最悪だ。
きっと私たちを見た人たちは、変な男に貢いでいる変な女だと思ったに違いない。

さっさと乗れ!!!
この野郎!!!
この野郎!!!
私は急いで彼を乗せてその場を走り去った。
とりあえず車中に嫌なニオイがする。
香水?タバコ?色んなニオイが混じっている。
私は真冬に窓を全開にして走った。

寒い!すっげー寒いから!!!髪も乱れるし窓閉めてよ!!

お前臭いんだよ!!
匂いがつくだろうが!
匂いがつくだろうが!

あ、ねぇ。ファンデかコンシーラーない?

何で?
あっても貸さないけど!
あっても貸さないけど!

無いの?女子力低いね!!(笑)

うるさい!!

これ!!消したいんだよねー
元旦那が胸元を見せた瞬間、私はとんでもないものを見せられた。