教師だった俺がホストをしているなんて誰も想像つかないだろう。
ましてや、さちは考えもしないだろうな。
時間はあっという間に過ぎた。
これでいける「俺はもう自由だ!自由なんだ!!」気分が良かった。
そんな時、母親からのLINEで一気に現実に引き戻された。
またかよ…
いい加減にしてくれよ
俺は無視した。
どうせわからないだろうし、母親が弁護士と話してなんとかするだろう
ところが…
母親のLINEに目を疑った。
バレてる!?
何で!?
俺は、誰にもホストをしていることは言っていない。
なのに何でホストをしていたことがバレたんだ…?
急に心臓が早くなる。
いくら顔をだしているとは言え、もしかして客の中にさちの知人がいたのか?!
考えれば考えるほど怖くなった。
でも、俺は一度裁判所を騙せている。
婚姻費用は0円になった。
教師だった俺の信用は絶大なんだ!!
もう一度騙すしかない!!
上手くいく…絶対に…
母親が「弁護士が依頼を受けてくれなかった」と言ってきた。
働いていないと嘘をついたことが弁護士にもバレて、弁護士としては引き受けられないと言う。
くそっ!役に立たない奴だ!
母親がムリヤリ頼み込んで、書面だけ書いてもらえることになった。
弁護士からは働いていることがバレている以上「婚姻費用が0円はありえませんから!」と言われた。
こうなったら1円でも安くなるようにするしかない。
俺は勤めているホストクラブに「入店月の安い給与明細と奢りシャンパン代が必要経費」だと書いてもらった。
さちからは、びっくりするほどのホストの写真が証拠として出された。
「お前はホストなんだ!」と詰め寄られている感じだった。
「ホストの初任給で出した給与明細で算定されたとしても、高等裁判所の判決がでたら、未払い金を一括で支払わなければならない」らしい。
未払い金は100万を優に超えている。
俺には消費者金融に借金もあって、自転車操業状態なのに幸に一括で払うなんて絶対に無理だ!!
判決が下るまでに何とかしなくては…そうしか考えられなかった。