親に「教師を退職する」と言った俺は「何を考えているの?!」と言われた。
だが、親は俺の居場所がわからない以上、このままいけば無断欠勤になり、懲戒免職になることがわかっていた。
「精神的疾患で退職処理も出来ない」としておけば、さちは俺が働いてるとは思わないだろうし、勤務先を探し出すことも無理だろうと考えた。
そして、支払いの能力がないとされれば婚姻費用も支払わなくて済む。
俺は…
とにかく逃げたかった。
でも、お金は必要だった。
今娘のことを考える余裕はない…
ホストはバイトの時に結構うまくやれていたし、人気もあったからそこそこいけるとはずだ!!
うまくいけば一千万プレイヤーにもなれる。
そうなれば公務員よりはるかに稼げるじゃないか!
借金のある俺には好都合だ。
俺は一千万プレイヤーの夢にかけることにした!!
そして、弁護士にも「精神的に病んでいて無職である」と嘘をついた。
教師だった俺のことは調停員も裁判官も誰もが信用した。
審判結果が出た。
裁判所が「稼働能力はなく婚姻費用0円とする。」と決定したと聞いた時はガッツポーズをした。
母親も喜んで、弁護士に「全て先生のお陰です。」とお礼言ってたみたいだった。
弁護士からは即時抗告が2週間以内に出されなければ審判が決定する。
このまま新しい証拠が出ない状態なら抗告しても却下される可能性が大きいと言われ舞い上がった。
もうこれで大丈夫。俺の人生はこれからだ!!
1千万プレーヤーになったら自分の店をもとう!そう思った。
ホストとして働いている間はお酒の力もあってか、何もかも忘れられた。
プレイヤーとして働いている俺は、もうさちのことも、娘のことも全て忘れていた。
独身のときのような感覚だった。
そう思っていたら、母親から連絡が来た。
さちが即時抗告をしたと…