奢り営業なんかしたら自分で自分の首を絞めることになるのはわかりきっているのに、その時は後先考えられなかった当時の俺。
奢り営業で来た客の支払いは全て掛けだった。つまりツケ。このままでいけば大変なことになると今ならわかるが、当時はナンバーにさえ入れば反対にその支払い以上のお金を客である姫様が使ってくれて、その後はナンバーを見た客が押し寄せると思った。
とりあえず一度でもナンバーにさえ入ることが出来たらその後は何とかなるって思っていた。
客さえつけば養育費くらい何とでもなる!確証なんてなかったけど俺には変な自信があったのに…
そんなに頑張ってるのに理解のないさちからは支払いが出来てないからと鬼電がかかってきた。そのうちに入りたての奴にナンバーも抜かれ精神状態はボロボロ。
それなのに指名客も売り上げもちっとも上がらない。
こんなこともうやってられるか!!
俺はまたホストクラブを飛ぶことにした。
店が終わって一旦寮に戻った。布団やもろもろの荷物を全て持ち出すことは出来ない。俺は貴重品と着のみ着のままで実家にもどった。
もうホストは嫌だ…
どこか誰も知らない場所に行きたかったが、そんな金もなくて泊まる場所もなくて、仕方なく実家に戻った。あったかい風呂に入ったあと、自分の部屋のベットに潜り込んで鬼のように眠った。
もうホスト業界からは足を洗おう。クマの出来た自分の顔をみながらそう思ったんだ。
母親からは「これからどうやって金稼ぐのよ!」と聞いてきたがとにかくさちからもホストクラブからも逃げることが先決だった
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